移乗をはじめ体力を要する介護業務とは

体力勝負と言われている介護職のなかでも、とくに体力を必要とする業務がいくつかあります。一番は、ベッドから車椅子への移乗ではないでしょうか。

ベッドに寝たままの利用者さまを起こし、ベッドに座らせたのちに移乗させるといった簡単なプロセスでも、体の大きさや麻痺の有無などを見極めた上で介護技術を駆使する必要があるので、負担がかかりやすくなります。

また、体位交換や入浴介助、排泄介助なども同様に介護側の体力が求められます。介護の仕事にはさまざまな業務がありますが、身体介護全般に渡って体力が必要になると言えるでしょう。この点が、介護職で実際に体力の辛さを訴える人も多い理由の一つです。

介護技術を駆使して負担の少ない介護を行っていても、体力が続かず介護職を離職する人も少なからず見られます。しかし、多くの方は「利用者さまと介護士それぞれが感謝を分かち合っている」「利用者さまに感動を与えてもらっている」というように仕事にやりがいを見出しています。

そのため、どうしたら負担を軽くできるか、体力を温存できるかといった介護の研究も進んでいます。職場としても介護士の雇用を増やし、利用者一人に対する介護士の人数を増やすことを目論むことや、ロボット介護機器の導入で介護士の体の負担を減らすなどの工夫を行っています。

実現には程遠いという介護事業所もありますが、国が提唱する科学的介護情報システム(LIFE)の導入などで合理的なケアを目指すことで体力面の負担を補うことも可能です。